かつてリトルリーグ時代に、右肘を壊して野球をやめたチームメイトがいた。
そして年月が流れ、高校生になった春、彼は左投げになって帰ってきた。
再び彼とチームメイトとなるべく野球部に入部した澤宮カオルだったが、どうしても公式戦に出ることはできなかった。なぜならカオルは女子だったから。
高校最後のシーズンが始まる秋に、カオルはチームを前に煩悶する。試合に出たい。自分が試合に出れば、このチームはベストメンバーになる。もう一度彼と共に野球ができる。
月下に魔女が嘆息する時、代償を糧に魔法は発動する……。
Million Meansの個人誌第11弾。
小熊善之が送る青春野球ファンタジー。