まぶしい草野球

 新入社員の島くんは、会社に秘密でプロ野球選手を目指していた。
 そのことを知ってから、日常の何かが変わっていく。遠い昔、私がまだ野球をやっていた頃のこと。そしてそれをやめた日のこと。思い出が涌き出して、過去と現在が繋がっていく。
 報われない努力の日々は虚しかっただけだと、忘れてしまおうとしていた、あの暑い日。
 人目に知れず汗を流し続ける島くんの姿が、封じ込めているものを呼び覚ましそうになる。
 辛いのは、もう嫌だ。彼は特別なんだ。

 そして魔女は現れて微笑んだ。彼は特別なんかじゃないのだ、と。




 Million Meansの個人誌第6弾。
 小熊善之が送る青春野球ファンタジー。


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